和歌山市議会 > 2012-03-05 >
03月05日-05号

  • "リスク"(/)
ツイート シェア
  1. 和歌山市議会 2012-03-05
    03月05日-05号


    取得元: 和歌山市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-06-07
    平成24年  2月 定例会                平成24年          和歌山市議会2月定例会会議録 第5号            平成24年3月5日(月曜日)     -----------------------------議事日程第5号平成24年3月5日(月)午前10時開議第1 会議録署名議員の指名第2 一般質問     -----------------------------会議に付した事件日程第1 会議録署名議員の指名日程第2 一般質問松井紀博君、永野裕久君、渡辺忠広君)     -----------------------------出席議員(38名)  1番  姫田高宏君  2番  松坂美知子君  3番  永野裕久君  4番  西風章世君  5番  園内浩樹君  6番  中塚 隆君  7番  浦平美博君  8番  小川孝夫君  9番  上田康二君 10番  島 幸一君 11番  丹羽直子君 12番  吉本昌純君 13番  井上直樹君 14番  芝本和己君 15番  渡辺忠広君 16番  山本忠相君 17番  薮 浩昭君 18番  奥山昭博君 19番  中尾友紀君 20番  戸田正人君 21番  松井紀博君 22番  野嶋広子君 23番  中村協二君 24番  古川祐典君 25番  尾崎方哉君 26番  山本宏一君 27番  南畑幸代君 28番  森下佐知子君 29番  岩井弘次君 30番  松本哲郎君 31番  寒川 篤君 32番  北野 均君 33番  遠藤富士雄君 34番  山田好雄君 35番  宇治田清治君 36番  貴志啓一君 37番  佐伯誠章君 38番  和田秀教君   ---------------説明のため出席した者の職氏名 市長         大橋建一君 副市長        松見 弘君 副市長        畠山貴晃君 市長公室長      森井 均君 総務局長       坂本安廣君 財政局長       山口研悟君 市民環境局長     上島 勲君 健康福祉局長     永井尚子君 まちづくり局長    東 重宏君 建設局長       内原久夫君 会計管理者      川端正展君 危機管理監      池永俊二君 教育委員会委員長   中村 裕君 教育長        大江嘉幸君 教育局長       原 一起君 消防局長       林 正義君 公営企業管理者    藤原庸記君 水道局長       眞野 廣君 選挙管理委員会委員長 射場道雄君 代表監査委員     伊藤隆通君 人事委員会委員長   水野八朗君   ---------------出席事務局職員 事務局長       岡崎広治 事務局副局長     尾崎順一 議事調査課長     幸前隆宏 議事調査課副課長   佐伯正季 議事班長       中西 太 調査班長       石本典生 事務主査       尾崎公彦 事務主査       村井敏晃 事務主査       増田浩至 事務主査       小野田 靖 事務副主査      佐川恭士 事務主任       北野統紀   ---------------          午前10時00分開議 ○議長(和田秀教君) ただいまから本日の会議を開きます。   --------------- △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(和田秀教君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において   尾崎方哉君   北野 均君   松本哲郎君 以上3人の諸君を指名します。   --------------- △日程第2 一般質問 ○議長(和田秀教君) 次に、日程第2、一般質問を行います。 順次質問を許します。 松井紀博君。--21番。 〔21番松井紀博君登壇〕(拍手) ◆21番(松井紀博君) 皆さん、改めましておはようございます。 ただいま議長よりお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問を行いたいと思います。 本日は、市長の政治姿勢について、行政事務における法的手続についてと通告をさせていただいております。 あの日から間もなく1年が過ぎようとしております。およそ2万人もの無辜の同胞が濁流にのみ込まれました。そして、大槌町のように首長がいまだ行方不明の町もあれば、多くの市町村役場の職員も犠牲になったと聞きます。また、消防隊員や消防団員、警察官も、その職責を果たそうとして命を落としました。 報道には載らないのか、私が見落としているのか、恐らく同職である市議会議員町村議会議員の中にも犠牲者がいただろうと推察するわけでございます。 そんなことをつらつら考えておりながら、みずからを省みて、地震や津波などの天災はもとより、病気や事故により、きょう、あす、その人生を閉じなければならないかもしれません。同僚各位におかれましても、この議場においてさまざまな発言をする中で、その提言の内容と利害を反する者から知らぬ間に恨みを買っていたり、街頭演説での一節が気に入らぬと、それらの者からのテロの対象となる危険性も排除できません。さらに言えば、言われなきスキャンダルに巻き込まれ、政治生命という一種形而上的な命を失うことの可能性も常に近くに存在します。そんなことを考えるにつき、もしかすると本日、今、このときの一般質問が最後の登壇になるかもしれないと、常にそういった覚悟を持たなければならないと思うわけでございます。そんな覚悟を持って本日の議論に臨みたいと存じますので、当局各位にはしっかりと答弁をいただけるようお願いする次第でございます。 このたびの一般質問では、和歌山市行政事務の実態と、それにより生じた紛争等に対する法的手続について、現在も解決できていない事案における問題を指摘し、当局の公共財の管理について、個別的な事象を例にただしたいと思います。 これは、民間の老人福祉施設建築現場から直径1,100ミリという大口径の水道局工業用水管が出てきたという驚くべき事件で、残念なことに現在も市民と市当局が係争状態にあるという問題です。 この事案は非常に大きな問題であるとの認識から、発生当時から広く市民に知ってもらうべきだとも思っておりました。しかし、実は私自身が紛争当事者の関係者で、本事案にいや応なく介入を余儀なくされたこともあり、市議会議員という立場で利益を誘導しているなどとあらぬ誤解を受けることは、かえって問題解決の妨げになるとの考えから、今日まで議会においてこの問題を指摘せずにおりました。市当局行政事務のミスがあったとはいえ、あえて公に問題提起をせず、すなわち問題を顕在化せずとも平穏に解決が図られるならば、やむを得ないと考えていたわけです。 しかし、この事件が当事者間の調停において話し合われようとする中で、当局代理人から提出された主張書面の内容が当局の非を全く認めないものであり、意見調整の場を持つこともなく調停は不調となってしまいました。私もこの書面を確認しましたが、この中で示された主張と長年にわたり当局が行ってきた行政事務との乖離、また、その認識の甘さや明らかな勘違いとも思われる申し出など、不誠実とも言える内容を知るにつけ、怒りを通り越してあきれてしまいました。これをこのまま看過すれば、結果として行政の身勝手に市民が泣き寝入りするという結果になりはしないかとの思いに至ったわけです。 事件のあらましは以下のとおりです。 お配りした資料の図1という表紙をめくっていただいたところですが、これをごらんいただきながらお聞きください。 市の相手方は、市内において食品関係の会社を家族で営み、このたび老人福祉施設を建築した--仮にK社のAさんとしておきます--土地A当該土地です。 Aさんの義理の父であり、K社の社長を務めるBさん所有の土地Bと、その母Cさんの所有する土地Cに工場を建て、これまで事業を行っておりました。土地Cは進入路、土地Bに工場があるという配置です。工場の隣接地道路側にフェンスで囲まれた土地Aが長年存在しており、以前からAさんは、この土地が購入できれば、3つの土地が使いやすいように成形されると考えておりました。 平成20年の秋、Aさんは土地所有者に売却を持ちかけ、これを購入することとなりました。K社は、念願の土地Aが取得できたので、一団の土地に老人福祉施設食品工場の新設を行うべく計画し、これを実行しようといたしました。 K社の建築工事を請け負ったS社が、いよいよ工事に着手し、基礎のくいを打とうとしたところ、道路境界線からおよそ1メートルの部分--図1ではブルーで着色しております--この箇所ですが、境界線に沿いまして南北にかけての地中約1メートル40センチの深さの場所に異物が発見されます。その異物は、一見大口径の水道管のように思えたために、S社は水道局に問い合わせを行いましたが、水道局では、確かにその近辺には工業用水管は存在しますが、管は道路の下に埋設されていますと答えました。しかし、S社の担当者は、慎重を期し、その異物を完全に露出させてみたところ、直径1メートルを超える明らかに送水管とおぼしき管があらわれました。この事実をもって再度水道局に申し出たところ、水道局もこの問題の大きさをようやく認識し、現場を確認したところ、道路の下にあるはずの住友金属工場内へ至る直径1.1メートルの工業用水管であることが判明しました。 驚いたAさんは、速やかにこの送水管の撤去を求めました。水道局長を初め職員の皆さんは、民間の土地にこの管が存在する理由はわからないので調査をする時間的余裕が欲しい旨を申し入れるとともに、このままでは計画している建築工事が進まないことに大いに謝罪をしたものであります。 それから水道局は、この原因を解明すべくさまざまな調査を行いますが、老人福祉施設の開設は福祉担当当局との協議の上で時期が確定しており、また、多額の借入金や代替施設の賃借料などの費用負担の増加などの理由からAさんは大きな決断に迫られます。それは、この問題の解決が長期化するのであれば、もとの計画を変更し、基礎くいを埋設物に干渉しない位置に移動した上で、それに応じた建物にするということです。建築指導課とも相談した結果、設計の変更と建築確認の再申請の手続を行うことになりました。その時点で、市当局とAさんは、原因の究明と状況の精査は必要だが、市の責任で生じた損害部分については当然に市が償うべきだという意見の一致を見ておりました。 Aさんは、早急に変更手続を行い、水道局は並行して調査を行うわけですが、およそ1週間の時を経て、ようやくある結論がおぼろげながら判明いたしました。それは、おおむね次のような内容です。 まず、昭和30年代には、この道路の両側が農地であったらしい。 道路舗装面に沿って道路敷があったらしい。 そして、その道路敷に住友金属が用水の引き込み管を設置し、後にこれを和歌山市に寄附をしたらしい。 その後、沿線は宅地化が進み、農地は道路の高さまでかさ上げされ、結果として、この工業用水管は地中に埋もれてしまったらしい。 水道局においても、その原因は不明ながら、住友金属から継承された管路配置図の記載内容を間違って認識し、道路面の下に埋設されている配置図面を作成し、それをもって工業用水管の位置を認識してきたらしい。 したがって、今回発見された埋設管は、道路下にあると思っていた工業用水管と同一のものに間違いなく、どうやらその場所は昔は道路敷の一部であったらしい。 「らしい、らしい」とあえて申し上げたのは、確とした文献があるわけでは決してなく、当時の航空写真など種々の書類から類推して、そのような判断に至ったわけです。 この内容について報告を受けたAさんは、どのように対処すべきか悩みます。当然、当局も判断に迷います。しかし、とりあえず両者の合意は、この土地の所有権や埋設管の今後、そして損害金についてなどの諸問題は、時間をかけなければ解決できそうもないというもので、当局も変更計画に基づく建築については異を唱えることをせず、問題勃発による工事停止や設計変更手続に要した時間の3カ月おくれで建物は完成し、老人福祉施設には入所者が集い、食品工場も稼働しました。 その後も、この問題は、なかなか解決に向けて進展しません。この間も、Aさんは設計料や確認申請手続費用を二重払いし、代替工場の賃料も期間延長分を支払い、借入利息も支払ってきました。また、請負業者のS社からも工事延長により生じた損害の支払いを求められるなど、なかなか新しい事業に身を入れて取り組むことができない、精神的にも不安定な時期を過ごすことを強いられました。 当局においても、結論が出しづらいことは理解できます。埋設管が現にそこに存在する以上、この土地はどうぞ差し上げますとも言えず、また、どれだけの金員を償うことが適当なのかの判断もつきかね、時間ばかりが過ぎていきました。 約1年が経過した昨年の11月、和歌山市がみずから判断できないのであれば第三者にそれをゆだねるべしとついにAさんは決断し、この問題について和歌山簡易裁判所に調停を申し立てました。当局にとっても、それはありがたかったはずですし、そこで公正な判断がなされるものと一同胸をなでおろしたものでありました。 しかし、ことしの1月に入って、和歌山市の代理人からAさんあてに届けられた主張書面を見て、Aさんは愕然とし、怒りをあらわにされます。その文書に記された言葉は、これまでの当局の話とは全く違い、Aさんの主張をすべて否定し、そして結論として、Aさんの主張する損害はAさん側の問題に基因し、和歌山市や水道局にはAさんの損害を賠償しなければならないいわれはないと結ばれているのです。 ここで、現場の状況に話を戻したいと思います。 現場は、道路の両側にそれぞれ40センチ幅の側溝が和歌山市によって設置され、和歌山市の道路管理台帳にも、図1のように、現場と相違なく、側溝を含めた幅員が7.9メートルであることが明記されております。 ここにありますように、7.1と0.4、0.4と、これは道路管理台帳に記された様式をデフォルメして書いておりますが、このような書き方で書かれております。 次のページの写真をごらんください。 現場の道路側溝は、このように一直線にきちんと整備、管理されております。道路管理台帳の幅員と寸分変わらない状況でございます。現在のようなこの側溝が整備される際には、地元の当時の自治会長と和歌山市が、現に道路として利用されている部分を官民の境界と定めたそうで、和歌山市も両側溝までが市の敷地と考え、その範囲で管理をしてきました。もちろん、それに基づいた道路管理台帳にもそのように幅員を記載し、広く市民の閲覧に供してきたわけです。 次に、図1の赤いラインに注目していただきたいと思います。 昭和55年には当該土地の道路を挟んで向かいの土地が、そして、昭和57年には当該土地を一軒挟んで隣の土地が、それぞれ現在の側溝の肩をポイントに官民境界明示を行ったことが道路管理台帳には明記されており、実際、このように書かれております。 また、K社では、昭和61年に土地Cに関して和歌山市との間に境界明示の手続を行い、この側溝の位置が市道と土地Cとの境界であることを確認しております。 また、さきにも述べたように、水道局でさえ、その管理すべき水道管の位置について把握できておらず、同局が市民の閲覧に供している管路台帳には、道路の下に当該工業用水管が明確に記されております。そして、この水道管が発見された後、建築指導課と協議の上、設計変更し、建築確認の再申請をする際にも、この境界についての疑義は一切出ておりません。 これらの理由から、Aさんが当該土地を自身の所有地であることに疑う余地は全くなく、それゆえに、そこから発見された地中埋設管の存在に大いに驚いたわけです。 これらの経緯を説明した上で、当局にただしたいと思います。 水道局は、局長初め担当職員までも、事案発生当初、民有地に水道管が誤って埋設されているという認識でAさんに接していましたね。水道局が認識していた管路の位置と本件土地とが違う場所である上、外形上からも民有地であると思っており、調査結果で概要が把握できて初めて現在の認識に至ったのではありませんか。このことについての所見を述べてください。 次に、まちづくり局にただします。 建築指導課は、今回のように市の道路管理台帳と現況が一致した上で、建築士がそれを確認し、申請書類を提出された場合にあって、官民境界明示申請書類の必須要件としていますか。また、今回、水道管が発見された後になされた設計変更について、水道局長も同席した上でAさんと協議する中、種々の状況から、当時にあって道路境界線については何ら疑いを持たなかったはずですが、そのときの認識を教えてください。 次に、建設局にただします。 先ほどからさまざまな行政事務のミスを指摘してきましたが、その結果として、当該土地に関して建築を請け負った建設業者も、設計管理を担当した一級建築士も、土地を仲介した不動産業者も、確認申請を受理した民間検査機関も、建築指導課も、水道局も、そして道路を現に管理していた道路管理課も、およそ当該土地にかかわる専門家のすべてが、さきに述べた当局の管理状況のミスが原因で、Aさんの所有権を何の疑いもなく認識していました。そんな状況にあって、Aさんが当該土地を障害なく所有していると考えたことに何ら過失はないと考えるのが普通ではないでしょうか。 当局における公共財の管理不十分が原因となり、さまざまなトラブルが発生しているように思われますが、このことについて当局の所見をお聞かせください。 以上で第1問を終わります。(拍手) ○議長(和田秀教君) 眞野水道局長。 〔水道局長眞野 廣君登壇〕 ◎水道局長(眞野廣君) 21番松井議員一般質問にお答えいたします。 水道局は、当初、民有地に送水管が埋設されていると認識した上で相手方に接していたと聞くが、水道局の認識していた管路の位置と実際とが違った上、外形上からも発生当時そのように感じ、調査の結果として現在の認識に至ったのではないかとの御質問です。 くい打ち工事の際に支障となった送水管の現場確認は、平成22年9月2日に、建築主、施工業者及び水道局の三者で確認しました。 現地の状況は、道路側溝から民有地側へ向けて約1メートル隔てた場所に既設送水管が埋設されており、さらに、隣接地の既設の塀が道路側溝に接して設置されていました。和歌山市工業用水道配管平面図では、道路域内に送水管が記載されており、建設会社の人に道路の下にあると話をしていましたが、現場の状況から判断すると、既設の送水管が道路側溝の外側で民有地内に埋設されているように見えました。 なぜこのようになっているのかの調査を、9月3日から9月9日にかけて、境界明示、公図、登記簿等の調査を行うとともに、送水管を布設した昭和34年当時から現在に至るまでの送水管と道路域状況を示す書類の調査を関係機関に依頼し、入手しました。そして、これらの関係書類から判断すると、既設送水管道路域内に埋設されているものとの結論に至りました。 したがいまして、水道局では、平成22年9月7日に建築主や和歌山市関係者で協議した時点では、関係機関の調査に時間を要したため、送水管の埋設位置は道路域内か民有地内かを即座に判断することはできない状況でした。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 東まちづくり局長。 〔まちづくり局長東 重宏君登壇〕 ◎まちづくり局長(東重宏君) 21番松井議員一般質問にお答えします。 建築指導課は、今回のように市の管理台帳と現況が一致した上で申請された場合であっても、官民境界明示を必要要件としているか、また、水管が出てきた後であっても、種々の状況から当時は境界に疑いを持たなかったはずだが、当時の認識はいかがかとの御質問です。 建築確認申請に添付するべき図書は、国土交通省令に列挙されておりますが、官民境界明示はありません。よって、建築確認申請時にその書面の添付を求めることはありません。 また、今回の事例は、当該申請敷地内で基礎工事としての掘削時に水道管が発見され、それに伴う計画変更建築確認申請について協議したもので、当該敷地の境界が変更になるとの認識はありませんでした。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 内原建設局長。 〔建設局長内原久夫君登壇〕 ◎建設局長内原久夫君) 21番松井議員一般質問にお答えいたします。 行政事務における法的手続について、市における公共財の管理不十分が原因となり、さまざまなトラブルが発生しているように思うが、このことについての考えはどうかとの御質問です。 市の公共物につきましては、道路、公園、水路等々多岐にわたりますので、必ずしもすべての公共物の管理が適切になされているとは認識していません。 一般論として、市の瑕疵により、あるいは市民に誤解を招きかねない状況を与えたことで紛争やトラブルになったケースも少なくなく、その都度、関係部署で解決に当たっていますが、訴訟に至るものもあり、この場合には、顧問弁護士に市の主張を伝え、また、意見を求め、対応しています。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 21番。 〔21番松井紀博君登壇〕(拍手) ◆21番(松井紀博君) それでは、それぞれ御答弁をいただきましたので、第2問をさせていただきます。 ただいまの答弁で、Aさんがあくまでも和歌山市当局の行政のミスに基づく被害者であることが、市長を初め幹部の皆さんにも認識できたことでしょう。 しかし、冒頭に述べた当局の主張書面には、考え違いも甚だしい字句が並んでおります。当局は、早期に問題解決を図らず、紛争を長引かせたいのではとしか思えないような内容なのです。 本件は、現在、係争中であるために、当局においては詳細についての答弁は困難だと思いますので、その内容についての答弁はあえて求めません。しかし、不本意ながら、本件の本質を理解するのに象徴的な部分についてのみ触れたいと思います。 まず、書面には、送水管は和歌山市の所有管理する道路敷内に埋設されているという言葉がこの文書のあちこちに出てまいります。民有地と思い込んで数十年が経過し、市役所職員も自分たちの先輩がなした仕事の結果を疑いもせず信じ込んで、事件が発生して初めて、しかも何日もの時間をかけて調査し、ようやく認識できたものを、言うに事欠いて「所有管理」とは噴飯ものであります。しかも、係争とはいえ、こんな詭弁、虚偽の言葉を市民に投げかけてしまう。行政のプロとして恥を知ってもらいたい。 また、当該土地公用廃止はされていないし、もちろん、公用廃止の手続は行われていないとも主張していますが、当局自身がその存在さえも認識していなかった当該土地公用廃止をどうやって行えたというのでしょうか。 ここに、ある文章がありますので御紹介します。お聞きください。 私人が道路敷である係争地を隣接地とともに買い受け、占有開始当時、隣接地と一体をなして宅地の一部と化し、道路として利用されることもなく、係争地と隣接地にまたがって建物が建築されたという事案--これを聞いて、今回の事案の概要説明だと勘違いされるぐらいそっくりな事例ですが、実は公共物の時効取得を認めた昭和52年の最高裁判決の説明文です。 公物は公用廃止のない限り時効取得の目的となり得ないという立場は、古く大審院の判決という、これは過去の遺物で、最高裁は昭和51年をもってこの大審院の判例を変更して、黙示的公用廃止の判断をその判決に反映させております。 主張書面の内容に戻ります。 このようにもあります。水道局は「道路の下」と答えずに「道路敷地内」と答えたといったような、まことに見苦しい言いわけもございますが、先ほどの水道局長の答弁で、当時の水道局が水道管は道路の下にあると認識していたことは明らかであります。 また、こうもあります。担当課とAさんは交渉を行った事実はないとか、担当課と協議の結果、設計変更し、建築確認を再申請し建築することとなった事実は否認するとさえ記されております。担当課はあくまで道路管理課だと言い、道路管理課は知らないと逃げているのです。 たとえ道路管理課が交渉をせずとも、水道局や建設局を所管する畠山副市長が、当初から問題解決のために話に加わって、現に交渉している事実はこの書面には記されておりません。また、確認申請建築指導課と相談していることも担当課である道路管理課は知らないと言う。担当課は知らないなどとのたまうたびに、みずからの組織の連携がうまくなされていないことを証明するようなものですし、その担当課である道路管理課がそもそもの原因をつくっていることを考えると、まさに天につばを吐く愚行としか思えません。 このように、この当局の主張書面の内容には、和歌山市行政事務の実態とかけ離れた記述が数多くあり、まだまだ大きな問題点もございます。しかし、武士の情けです。今後の和歌山市行政にとって大変な負担にもなりかねませんので、あえてこの場においてこれ以上の指摘はいたしません。 しかし、ここで大橋市長に再認識していただきたいことがあります。 道路境界を明確にして市道の幅員を確定することは、昭和の時代から幾度となく通知、通達をもって国から命ぜられた地方自治体の責務だということです。それを、民間に個別に官民境界明示申請をさせ、その部分だけを明示してきたわけです。市行政の責務を民間に押しつけてきたのが実情なのです。 さらに言えば、昭和26年、国土調査法の制定、昭和37年、国土調査促進特別措置法の制定以来6度にわたる10カ年計画をまるで無視するかのように、地積調査に予算も盛らず、人員も配置せず、数年前まで放置してきたのは歴代の和歌山市政の怠惰、怠慢ではないですか。全国中核市中、和歌山市が何とワースト5位に甘んじていることを市長はもちろん御存じだと思いますが、1位の高松市の進捗率91%に対し、和歌山市の5%は余りにも情けないに過ぎるとは思いませんか。 和歌山市民は、和歌山市が長年にわたり地籍調査はおろか道路幅員の確定も進めないために、弊害と言えるある慣習をつくり出しました。それは、県・市道で、道路管理台帳と現状に相違がなく、側溝などの整備がきちんとなされている土地については、多額の費用負担となる官民境界明示、確定測量、地積更生などは省略するというものです。いわば行政の不作為による不動産流通面での障害を民間の知恵でしのいできたのであって、言いかえれば行政の不作為による市民の財産権の侵害とも言えるのではないでしょうか。 今回のAさんの事案もしかり。和歌山市当局が課せられた責めを果たしさえしていれば起こらなかった事件だということは、間違いない事実であります。この事実を市長はしっかりと認識してもらいたい。 さて、去る9月定例会において、中筋日延児童遊園の買い取り和解に関する議案が上程され、当議会がこれを否決したことは記憶に新しいものですが、もし当局がこの前例をもって調停和解に慎重になっているとするならば、それこそ、あつものに懲りてなますを吹くの例えどおり、当局の保身のために必要以上の用心をし、結果としてAさんを苦しめているのではないでしょうか。 今さら言うまでもありませんが、さきの例は、和歌山市が現に管理し、使用していた公園で、外形上、換価性のない土地である、お金にかえられない土地であることが一般人にも明確なものを、不動産登記法上の所有権を得た人物が買い取りを求めてきたものです。片や今回は、和歌山市が管理を怠り、道路としての使用もなく、民間で売買がなされ、すなわち換価性を有し、一般人はおろかプロのすべてが誤認をするという土地で、相手方のAさんは善良で無過失な市民ではないですか。もし、これらを同列に扱っているとするならば、市長のとる施政は一体だれのためなのか大いに疑問を感じるわけです。 さきに行われた代表質問において、大橋市長は、絆クラブ北野幹事長の質問に次のような答弁をされました。「とにかく市民のためにやらなければならないことはやるんだという気概を持って、市民のためにすべての施策に全力で取り組んでまいりたいと考えています。」、まことに結構な答弁だと思います。ならば、高齢者福祉施策の一端を担いながらも今回の事例で市当局と対立を余儀なくされた善良な市民であるAさんのためにも、やらなければならないことをやってもらいたいと、このように思うわけであります。 るる述べてまいりましたが、当局がみずからの行政手続における不作為や事務の瑕疵を率直に認めず、Aさんの主張に対し、全面的に対決姿勢を示したことが原因で、せっかくの調停が不調になろうとしております。この一般質問で明らかになった当局のミスは、ミスとして素直に認めた上でAさんに向かい合えば、このたびのトラブルも早期に解決できるのではないでしょうか。 当局において、担当課である道路管理課はもちろんですが、副市長を初めとする関係各部署や代理人の弁護士も交えた上で、いま一度、現状を認識し直し、謙虚に、改めて協議の場を持てるようAさん側に申し出るべきだと考えますが、このことについての当局の考えをお聞かせください。 以上をもって第2問といたします。(拍手) ○議長(和田秀教君) 畠山副市長。 〔副市長畠山貴晃君登壇〕 ◎副市長(畠山貴晃君) 21番松井議員の再質問にお答えいたします。 行政事務における法的手続について、今回の調停が不調になった案件について、問題解決に向け、市民のことを考えて、再度協議する考えはあるかという趣旨の御質問です。 引き続き議論の場を持ちたいと思います。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 21番。 〔21番松井紀博君登壇〕(拍手) ◆21番(松井紀博君) それでは、第3問目、まいります。 「引き続き議論の場を持ちたいと思います。」、まさに係争中がために多くを語れない、そのことは理解できますが、何とも言えず冷淡に聞こえたのは私だけではないと思います。 まさか畠山副市長は、この答弁にあった「議論の場」という言葉を、後に詭弁を弄して、調停も議論の場だが、裁判も議論の場である、今後は裁判を議論の場とするなどと言うつもりはまさかないとは思いますが、私の質問の前提が、いま一度、現状を認識し直し、謙虚に、改めて協議の場を持てるようAさん側に申し出るべきだと考えるというものである以上、当局や代理人がこれを行わない場合には、今の畠山副市長の答弁は明らかな虚言と断じざるを得ませんので、市長を初め副市長や幹部の皆さんは、先ほどの短い答弁に含まれた意味をしっかりと認識しておいてください。 市長、係争中なので、細かい個別事案についてはあえて答えてくれと言いませんと先ほども申し上げました。しかし、今、第1問、第2問の中でさまざまな議論をさせていただきましたが、ひょっとしたら市長の耳に入ってない内容もあったやもしれません。これらのことを受けて、率直に、今、どんな感想をお持ちか、お答えいただきたいと思います。 また、このところ、当局の法的手続の不備から問題が深刻化、複雑化し、その解決に時間や労力が必要となる事例が多々見られるようになってまいりました。 これらのことを抜本的に解決するには、総務課内にある法制班を強化した上で法制課として整備し、庁内各課で発生した法的な問題を含むトラブルを、その初期段階で法制課に移管し、その上で解決に当たるべきだと考えます。 国においては、国に対する訴訟のすべてを法務省が扱います。民間企業においても、総務部などが一元的にこれらに対応しています。このような体制こそが、組織防衛面においても非常に有効であり、紛争相手方にも早期の解決に向けた適切な対応となるわけです。 そこで、担当局に伺います。 最近の事例を受けて改善した点、そして今後の方針についてお聞かせください。 以上をお聞きして、私の一般質問といたします。 長時間にわたっての御清聴を感謝申し上げます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(和田秀教君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕
    ◎市長(大橋建一君) 21番松井議員の再々質問にお答えします。 今回の紛争の一連の経過を見て、どう思うか、市長の考えを述べよということであります。 このたびの紛争につきまして、その解決に向けて、市と相手方の双方の意見を聞いて、粛々と進めてまいりたいと思います。 あわせて、庁内における法制体制のより一層の強化を図ってまいります。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 坂本総務局長。 〔総務局長坂本安廣君登壇〕 ◎総務局長(坂本安廣君) 21番松井議員の再々質問にお答えします。 行政事務における法的手続について、最近の事例を受け、改善した点、今後の法制体制についての御質問です。 近年、社会構造の複雑化、多様化に伴い、さまざまな法的事案が生じ、また、これらを解決するための高度な法律知識が求められるようになっています。このことから、職員研修所においては、法制執務研修などを通じて職員の能力向上に努めているところです。 また、これまでは、法的事案の解決については担当課が対処し、それに法制部門が協力してきましたが、昨年11月に和歌山市事務決裁規則を改正し、訴訟等の法律事務の処理を顧問弁護士に委任する案件につきましては、原則、法制担当部署に合議するなど連携の強化を図っているところです。 しかし、すべての職員にその担任事務について法的知識が十分に備わっているとまでは言えず、個々の法律事案について、その法務処理に適正さを欠いたと思われる事案が発生するなど、まだまだ十分な体制にあるとは言えない状況です。 現在、弁護士資格を有する特定任期付職員を募集しております。これは、本市が対処すべき法的事案の発生時や新規の事業を始動する際、初期の時点から弁護士資格者、法制部門、担当課が情報を共有し、法的手法を駆使して、一体となって紛争等を未然に防止し、その解決に当たることを目指してのものです。 また、これとあわせて、職員に対する高度な法制執務研修等を実施し、個々の職員の法的思考力、法務処理能力の向上に努めるとともに、法制担当部署を含めまして庁内における法制体制のより一層の強化を図ってまいります。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 次に、永野裕久君。--3番。 〔3番永野裕久君登壇〕(拍手) ◆3番(永野裕久君) 皆さん、おはようございます。 民主党、民主クラブの永野裕久でございます。 早いもので、3月に入り、幾分寒さも和らぎ、春の足音が聞こえてまいりました。 また、3月といいますと、日本人としては、あの未曾有の大災害、東日本大震災を思い出さずにはいられません。あれから間もなく1年がたとうとしていますが、1年というのは大きな節目でもあります。改めて、お亡くなりになられました方々の御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、被災された皆様、その御家族の方々の心の傷が少しでも、また、一日も早くいやされる日が来ることをお祈り申し上げます。 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、いつもどおり元気よく一般質問をさせていただきますので、御清聴のほどよろしくお願いいたします。 今回は、まず、本市における地域経済対策について質問をさせていただきます。 本市は、県庁所在地でありながら、近年、著しい少子高齢化、また、他都市への移転が激しい自治体であり、どちらも歯どめがかかっておらず、いまだ抜本的な解決策にたどり着いていない状態が続いています。人口の増減は、自治体の魅力、元気度をあらわす物差しとして一つの大きなバロメーターになります。このままでは、ますます定住人口が減少し、未来の見えない元気のない町になってしまうおそれがあると私は大変危惧をしております。 人間が生きていくには、当然のことながら衣食住が生活の基本となります。中でも「住」は、親から子へ、子から孫へと次世代につながり、また、地域コミュニティー形成の基礎となり、その地域コミュニティーが豊かな地域社会を形成する和歌山市のまちづくりの基礎となります。そういった意味におきまして、衣食住の中でも「住」は特に大切なものであると私は考えています。 地域経済が落ち込み、和歌山市が元気を失っている昨今、本市のもろもろの事情を考えますと、私は、今こそ緊急地域経済活性化対策、すなわちカンフル剤が必要であると思っています。地域経済活性のポイントは、眠っている需要を掘り起こす、これに尽きるのではないでしょうか。 そこで、以前にも先輩議員が質問されていますが、私は緊急カンフル剤として住宅リフォーム助成制度を提案します。なぜならば、住宅リフォーム助成制度の創設が、和歌山市の定住人口の減少に歯どめをかけ、同時に増加、増大を促すことができること、それに雇用創出や地域活性の経済対策にもなり、一石二鳥、三鳥の施策となるからです。 つけ加えて言うならば、もちろん地域経済活性化対策の基本は、地域でお金が循環することが大原則であります。ですから、言うまでもなく、住宅リフォーム助成制度を創設するのであれば、本市の地域内で再投資できる仕組みづくり、すなわち和歌山市の地元業者限定の条件が必要不可欠であります。 私も、本市の財政が厳しいのは重々理解しているつもりでありますから、私は何も雲をつかむようなリスクの高い施策を提案するつもりはございません。 緊急カンフル剤を打った成功例の施策として、近畿の他の自治体でのデータもあります。 一つの例を紹介しますと、兵庫県明石市では、明石市産業活性化緊急支援事業と題しまして住宅リフォーム助成を行っています。実績としまして、平成12年度から平成16年度までの5年間、また、平成21年度から平成23年度、今年度まで3年間、計8年間の実績があります。明石市が用意している予算額は年間1,000万円で、申し込み条件としましては、工事経費が20万円以上、みずから住んでいる持ち家、助成対象となる工事経費の10%で最高10万円を助成する制度であります。申し込み条件の工事経費が最低20万円以上とありますので、平均20万円から30万円程度の工事に集中するのではと思いきや、実際の1件当たりの平均工事費は何と120万円前後と高額であり、助成制度があったからこそ住宅リフォームに踏み切ったケースが数多くあったものと思われます。 このように、ちょっとしたきっかけで、住宅リフォームを考えていたが思い切った決断をしなかった、できなかった施主が、行政の後押しにより背中を押されたことによって決断し、恐らく当初考えていたリフォーム工事よりも、この際だからあれもこれもと大きな工事を行ったのでしょう。まさに、これこそが眠っている需要を掘り起こすということであります。 結果、平均120万円もの多額のお金を地域経済に寄与し、回り回って市民税や地方消費税の増収という形で行政が潤い、結局は市民が潤うという好循環につながったものと思われます。 兵庫県明石市の具体的な経済効果としましては、平成21年度の消費喚起額が1億3,000万円、経済波及効果は1億7,600万円、平成22年度は消費喚起額が6,900万円、経済波及効果は9,200万円という成果がはっきりと数字にあらわれて出ています。明石市は、人口約29万人、一般会計約967億円と、本市と比べてもやや規模の小さい自治体です。しかしまた、極端に本市と規模が違うわけでもありませんから、非常に参考になる取り組みであると思います。 私の過去の一般質問でも申し上げましたが、本市の財政状況が苦しいのはわかります。しかし、財政が苦しいから何もできませんでは本市に未来はありません。 市民の記憶に新しいものとしましては、下水道料金の値上げや若竹学級の費用徴収などが予定されています。私も、市議会議員として下水道料金の値上げには賛成しましたが、これらにおいて、大橋市長は、本市の財政を中長期的に見据え、悩んだ末、断腸の思いでの苦渋の決断であったと察します。 しかし、財政が苦しいからといって市民に痛みばかりをお願いするだけでは、私も和歌山市民の一人として非常につらい思いがします。あめとむちではありませんが、時には痛みを分かち合ってもらい、また、時には痛みを分かち合った御褒美に喜びも分かち合ってもらうということも必要であると思います。そして、それは市民にとって、さすが大橋市長と言われるような、打てば響くような、目に見えて実感できる施策が理想であると思います。 つらいこともあるけども、喜びもある。だから、やっぱり生まれ育った大好きな和歌山市でこれからも生きていこうという気持ちにさせる、その手腕が市長のリーダーシップというものではないでしょうか。私も市民の一人としてそう思います。 住宅リフォーム助成制度に限らず、私は何も、始めたら終わりなく恒久的な施策で行うべきだと提案するつもりはありません。試験的に1年なり3年なりやってみて、経済効果と市民の喜ぶ顔を見てみて、経済効果があり、市民に喜ばれるのであれば、市長判断で次年度も続ければよいでしょうし、そのような形でスタートしてみればリスクも少ないと思います。 そこでお尋ねします。 本市は、地域経済活性化について、どういった基本理念をお持ちか、また、地域経済活性化対策における住宅リフォーム制度創設の提案について、市長の御見解をお聞かせください。 次に、交通政策についてですが、特に和歌山、徳島間を結ぶ航路についての質問をさせていただきたいと思います。 和歌山と徳島を結ぶ和歌山徳島航路が、今、廃止の危機に陥っています。 まず、和歌山徳島航路の近況を申し上げますと、平成21年度は和歌山、徳島両県の支援、また、地域公共交通活性化・再生総合事業を活用した大幅なフェリー料金割引を実施し、需要は改善しました。しかし、乗用車単価の下落と貨物輸送の落ち込みから、営業黒字には至りませんでした。 翌平成22年度は、引き続き再生総合事業を活用し、また、和歌山、徳島両県の支援も受けながら利用促進事業に取り組むと同時に、南海フェリーにより、三世代パック料金や自転車無料キャンペーンなど多様な料金施策も実施されましたが、高速道路料金割引には対抗できず、約2.5億円の赤字を計上しました。 今年度、平成23年度においては、6月に高速道路無料化社会実験が終了しましたが、予期せぬ3月の未曾有の東日本大震災、また、南紀地域を襲った9月の台風12号の影響などがあり、全体的に減少傾向のまま推移し、10月には南海電鉄との共同企画切符などで徒歩客については回復傾向が見られるものの、依然として景気低迷などにより、人流、物流とも低調であります。 このように、平成21年度以降の業績悪化に歯どめがかからない状況であります。 このような現状を踏まえ、航路廃止になった場合の影響を考え、調べてみました。 廃止の影響として考えられる幾つかの例を挙げますと、平成22年度においても、和歌山徳島航路は14万台、39万人の輸送を担っており、航路廃止となれば、産業廃棄物や特殊車両による重量物の運送、交通弱者への影響が懸念されます。また、災害時の輸送手段として住民生活を支える重要な役割を担っており、航路廃止となれば地震時の対応も再検討する必要が出てきます。さらに、本市と徳島市との移動が大阪経由となり、時間も距離も大きくなり、観光、経済など本市に多大な影響がもたらされます。 このように、航路廃止となれば、どれをとってみても市民にとって大変大きな悪影響が及びます。 中でも私が特に危惧するのは、災害時のことを想定した場合であります。なぜならば、昨年の東日本大震災が記憶に新しいように、本市でも、近い将来、東海・東南海・南海地震が必ずやってきます。先ほども申し上げましたが、フェリーは、被災者の移動はもちろんのこと、物資を積んだトラックもたくさん輸送でき、ホテルシップに利用するなど、災害時において大変重要な役割を担っており、命を守る手段と言えるべき存在であるからであります。 災害時のフェリーの必要性、そしてその活躍は、既に阪神大震災や東日本大震災時にも証明されています。 阪神大震災を例に挙げますと、地震により、道路、鉄道、港湾施設にも甚大な被害をもたらし、神戸--大阪間の主要幹線交通である鉄道は多くの線区で分断され、さらに主要道路は各地で寸断、陸上交通も困難をきわめました。このとき、陸上交通にかわって海上輸送が生活物資等の輸送において大いに貢献したことはよく知られています。また、フェリーは、ホテルシップとして避難所にも利用され、大いに活躍しました。 東日本大震災時もフェリーが威力を示しました。阪神大震災時と同じく、陸上輸送は壊滅的な被害を受けましたが、支援活動要員、車両の輸送などで民間のフェリー会社が活躍しました。 このように、広範囲で鉄道や道路が寸断されたときに輸送の命綱となるのは、やはり海上輸送であります。航路は、民間経営と言いながらも、公共交通としての役割も果たしています。そういった理由からも、行政は今後、総合的な交通体系を考え、フェリーが担う役割を改めて認識し、航路の維持に力を注ぐべきであると思います。いざというときに海上輸送が機能しなかったらと思うと、非常に恐ろしく、怖い思いがします。 そこでお尋ねします。 和歌山徳島航路が廃止になった場合、本市が受けるさまざまな影響について、また、フェリーが担う役割についての認識と航路の維持について、当局のお考えをお聞かせください。 また、当初予算で具体的にどういった支援を考えているのかも、あわせてお聞かせください。 以上の点をお伺いいたしまして、私の第1問とします。ありがとうございます。(拍手) ○議長(和田秀教君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 3番永野議員の一般質問にお答えいたします。 地域経済対策、地域経済活性化について、どういう基本理念を市は持っているのか、また、住宅リフォーム助成制度創設の提案について、どのような見解を持っているかという御質問であります。 まず、地域経済活性化についての基本理念でありますが、世界的な景気衰退や円高の影響を受け、本市の地域経済もまだまだ厳しい状況が続いていると認識しています。 本市としては、地場産業を初めとする中小企業に元気になっていただくことが最重要課題であると考えており、中小企業の声をしっかりと受けとめ、効果的な支援策に取り組んでいきたいと考えています。 議員から御提案のありました住宅リフォーム助成制度は、近畿でも明石市のほか奈良市、大津市などで導入されて、好評を博し、住宅関連の需要を喚起する経済効果があったと聞いております。 現在、和歌山市の個人住宅への助成制度としては、太陽光発電などの省エネ対策、命を守るための耐震化リフォーム、バリアフリー化など福祉目的や若者の定住化促進として住まいづくり新築奨励事業があり、それぞれの行政目的の推進に努めているところであります。 これらの助成制度につきましては、補助対象工事と同時に補助対象外の部分のリフォーム工事も発注される市民が少なくないと聞いています。また、耐震改修では、一定の内外装材や建具取りかえ等のリフォームも附帯工事として補助対象に含めているところであります。 これらのことから、本市の助成制度も、他都市の住宅リフォーム助成制度と形は違いますが、需要を喚起する効果があるものと考えています。 本市といたしましては、これらの防災、環境、福祉対策等を目的とする制度の充実により、行政目的の推進と経済効果の両面の効果をねらった取り組みを進めていきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 坂本総務局長。 〔総務局長坂本安廣君登壇〕 ◎総務局長(坂本安廣君) 3番永野議員の一般質問にお答えします。 交通政策について、和歌山徳島航路が廃止になった場合、本市が受けるさまざまな影響について、フェリーが担う役割についての認識と航路の維持についての考え、また、当初予算で具体的にどういった支援を考えているのかとの御質問です。 和歌山徳島航路は、県庁所在地として直線距離では一番短い位置関係にある本市と徳島市を結んでいるだけではなく、広域的に考えれば、本州と四国を結び、物流、人流を担う海の道としての役割を果たしています。 航路の廃止という話は、具体的には聞いておりませんが、万一この航路が廃止されますと、その影響は両市にとどまることなく、広範囲のエリアに影響があるものと考えます。 本市への影響といたしましては、本市から四国方面への輸送手段の喪失により、物流面では輸送時間やコストの増加による影響等が懸念されます。また、この航路は、本市側では鉄道とバス、徳島市側ではバスと連絡されており、人流面では自動車を運転できない人の両市間の移動手段が限定されてきます。そのほか、四国方面からの観光客の減少やフェリー会社の撤退による雇用面等、多方面の分野への影響が懸念されているところです。 さらに、災害時には、救助部隊や物資を大量かつ迅速に被災地に送り込まなければならず、トラックごと一度に積めるフェリーが威力を発揮したことは東日本大震災でも明らかになっています。 このように、航路廃止によるさまざまな本市への影響を考えますと、特に災害時への備えとして平時からこの航路を維持しておく必要があり、そのためにも利用者の需要拡大が欠かせません。 その一つの方策として、自転車ブームの到来により自転車の販売数が年々増加していることや、自転車、小型二輪車は高速道路が使えず、近畿、四国間の移動がフェリー等の船舶に限定されていることなどから、自転車の利用者をターゲットとした利用促進策を事業者と協力しながら展開していきたいと考えています。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 3番。 〔3番永野裕久君登壇〕(拍手) ◆3番(永野裕久君) それでは、それぞれ御答弁いただきましたので、再質問をさせていただきます。 まず、地域経済活性化の基本理念についての答弁ですが、本市の地域経済もまだまだ厳しい状態が続いている、地場産業を初めとする中小企業に元気になっていただくことが最重要課題であり、中小企業の声をしっかりと受けとめ、効果的な支援策に取り組んでいきたいと考えているとの市長答弁でありました。 おっしゃるとおりでありまして、そこは私もまったくの同感であります。 また、答弁にもありましたように、現在、和歌山市の個人住宅への助成制度としまして、若者の定住化促進としての住まいづくり新築奨励制度事業を初め省エネ対策、耐震化リフォーム、福祉目的などの住宅関連の助成制度があります。このようなそれぞれの行政目的の推進に努めていることについても、私は評価したいと思います。 しかし、住宅リフォーム助成制度そのもの、単独としての創設がなかなか難しいようでありますので、私は、ここであきらめず、さらにもう一歩踏み込んだ提案をさせていただきたいと思います。 私の提案は、ずばり、前途の住宅関連の助成制度にあわせた別のリフォーム助成であります。これは、例えば太陽光発電などの工事と同時に行う、耐震化リフォーム工事と同時に行う、バリアフリー工事などと同時に行う別のリフォームを助成するという制度であります。 なぜならば、住宅の工事は、当然主に昼間の工事になります。となりますと、家庭を預かる主婦からすると、御主人の留守中に工事関係者が何度も家の中に上がり込むということになります。主婦は、それを煩わしく思い、嫌う傾向があるようで、それが住宅リフォームを初め耐震、省エネ、福祉目的等の工事にもなかなか踏み切れない大きな理由の一つであると、私は現場の声として聞いているのであります。 例えば、組み合わせは何でもいいですが、仮に太陽光発電設置工事と住宅リフォーム工事とを別々に分けてするとなれば、工事関係者の出入りも2倍になり、当然のことながら煩わしさも2倍になります。ならば、いっそのこと、先ほど私が提案したように、現在行っている住宅関連の助成制度とセットを条件として、あわせて別のリフォームの助成を行えば、二度の手間と煩わしさが一度で済むことになります。それが家庭を預かる主婦の気持ちを酌むことになり、結果、消費喚起が促され、住宅リフォームの促進につながり、また、市長が答弁された省エネ対策、耐震化リフォーム、福祉目的などの行政目的に沿った施策に対しても一層の促進が期待できます。 地域経済の基礎となるのは家計消費であります。ですので、家庭の財布を預かる主婦の気持ちを大切に考えないことには、地域経済の活性はありません。 このように、住宅関連の助成制度にあわせ、同時に別のリフォームの助成を行うことによって、眠っている需要を掘り起こすことができると思うのであります。 平成24年度予算は、木造住宅耐震化の促進として耐震化の補助を、耐震診断は平成23年度の300件から500件に、耐震設計及び耐震改修は平成23年度の35件から150件に拡充するとしています。大幅増額の当初予算を計上することによって、経済対策にもなり、この点では評価したいと思います。 しかし、防災だけにとどまらず、その他環境や福祉対策等においても、今後、さらなる取り組みを進めていかなければならないと思います。さらなる取り組みとして、金額の増額や別のリフォームを同時に施工する場合の補助等が考えられますが、この点について当局の御見解をお聞かせください。 続きまして、交通政策について、中でも和歌山--徳島間を結ぶ航路について、答弁に対しての再質問を続けさせていただきます。 まず、和歌山徳島航路が廃止になった場合の本市が受けるさまざまな影響についての答弁では、物流面、雇用面、観光面、防災面と多方面で影響があるとのこと。また、フェリーが担う役割についての認識と航路の維持についての答弁では、フェリーは海の道としての役割を果たしている。また、特に防災面からは、平時の運航を維持しておかなければ緊急時に活用できないと、近い将来、発生の確率が高い東海・東南海・南海地震に備えて、当局も大変な危機感を持っているということがうかがえ、私と共通の認識であることが確認でき、そういった意味では少し安心をしました。 航路の利用促進や維持のための方策として、自転車ブームの到来に合わせ、自転車利用者をターゲットとした利用促進策を事業者と協力しながら展開していきたいと考えているとのことで、そのような前向きな取り組みも評価したいと思います。 もちろん、それはそれでよいとして、もう一歩、それにあわせ持った方策も取り入れてみてはどうでしょうか。 例えば、徳島県と和歌山県では、徳島県立図書館、そして和歌山県立図書館で交流展が開催されています。昨年の夏休みには、和歌山県立図書館で「徳島の魅力 再発見」が展示され、また、同年9月13日から10月16日までの期間、徳島県立図書館では「和歌山は、おもしゃいで」の展示を開催し、どちらも大好評でありました。 このように、和歌山--徳島間の交流を深め合い、交流の強化を通じ、航路の活性化を図っていくのも一つの考え方であります。こういうふうな方策ならば、比較的お金もかからず、行政も取り組みやすいはずであります。 さらに、徳島市と連携をとり、子ども会の旅行や遠足などの学校行事を中心とした交流の提携を結ぶのも一つの方策であると思います。 また、和歌山と徳島を結ぶ和歌山徳島航路は、日本では広島県の宮島航路と2航路しかない貴重な鉄道連絡航路であります。これは意外と知られておらず、それを観光面で積極的にアピールしていくのも一つの方策であるかと思います。 そこでお尋ねします。 航路の活性化を図るため、今、私は、本市と徳島市との交流強化についてと観光面でのアピールを、それぞれ一つずつの方策を提案させていただきました。この提案を実現させるためには、両市において一つのテーブルに着いて協議することが大切であるかと思いますが、当局のお考えと取り組み姿勢をお聞かせください。 以上の点をお伺いいたしまして、私の再質問とさせていただきます。(拍手) ○議長(和田秀教君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 3番永野議員の再質問にお答えいたします。 まず、リフォーム助成を上乗せするような形で補助をふやすというようなことは考えられないのかという御質問であります。 先ほどもお答えいたしましたように、本市では、個人住宅への助成制度につきましては、行政目的に沿った助成を行い、これらの制度を利用していただくことによって経済効果も上がるというふうに考えております。 昨年発生いたしました東日本大震災は、東北や関東地方に甚大な被害をもたらしました。本市におきましても、近い将来、必ず発生すると言われる東海・東南海・南海地震に対する備えが差し迫った課題であるため、議員御指摘のように、平成24年度は木造住宅耐震改修補助の予算額を3倍以上に増強いたしました。木造住宅の耐震化を強力に推進していくことで、住宅関連産業への経済効果も大きくなると考えています。 今後も、地元業者への経済効果も含め、より効果的な施策を検討していきたいと考えています。 次に、和歌山徳島航路についてのお話であります。 本市と徳島市の交流強化や観光面において、両市が一つのテーブルに着いて協議することが大切だと思うが、考えと取り組みの姿勢を述べよということであります。 本市が、今後、中核都市として活力を維持し、持続させていくためには、自動車や鉄道、航空、そしてフェリーを含む船舶を組み合わせて、人と物の総合的な輸送力を維持、向上させることが大きな課題であります。 また、一度失われた輸送手段を取り戻すことは非常に困難であることを貴志川線の廃線危機により痛感しているところでもあり、危機感を持って航路の価値を見直し、維持する必要があると考えています。 昭和31年に和歌山小松島航路が開通以来、本市と徳島市で多様な交流が行われてきました。和歌山県立医大や和歌山大学に徳島から来られてる方、それから逆に和歌山から徳島大学に行ってる方というのは結構多いんですよね。そういうことも含めて、交流というのはずっと続いてきたというふうに私も認識しています。 明石海峡大橋の供用開始以後の航路利用客の減少に伴い、徳島市と和歌山市の相互の交流やつながりがやや希薄化しつつあるように感じております。議員御提案の両市の間の相互交流の強化が、航路の価値を見直すきっかけとして、また、観光面のアピールについても、両市間で連携、分担しながら行うことで効果も広がると考えられます。 今後、国の制度を活用し、航路の利用促進事業を実施してきた法定協議会組織を改変するなど、徳島市も含め、関係する機関で、航路を利用してどういった交流や連携が可能か検討してまいりたいと考えています。 また、和歌山徳島航路の維持につきましては、本市では支援や交流の強化に加え、私も国土交通省へ直接、支援措置を含めた維持のための要請を行いましたが、今後も関係機関に対して強く働きかけていきたいと考えております。 以上です。 ○議長(和田秀教君) 3番。 〔3番永野裕久君登壇〕(拍手) ◆3番(永野裕久君) それでは、それぞれ再質問に対する御答弁をいただきましたので、再々質問をさせていただきます。 まず、地域経済対策について、私が提案する住宅関連の助成制度と同時に行う別のリフォーム助成に対する答弁ですが、平成24年度は木造住宅耐震改修補助の予算額を3倍以上に増強している、木造住宅の耐震化を強力に推進していくことで住宅関連への経済効果も大きくなるものと考えてるとの市長答弁でありました。 市長がそこまでおっしゃいますので、私としましては、しばらくの間、まずは平成24年度、3倍に増強した木造住宅耐震改修補助予算による地域経済波及効果がどのようなものか、注視していきたいと思います。 大橋市長には、今後とも地域経済の動向には常に目を光らせていただくよう要望し、また、引き続き、地元企業が元気になるような施策に期待したいと思います。 続きまして、交通政策について、中でも和歌山--徳島間を結ぶ航路についてでの再質問答弁ですが、先日の施政方針演説の中で、大橋市長は、「自然災害の脅威に対する危機管理が、今後の行政に課せられる最優先の課題である」ということは間違いないとおっしゃっていました。 そして、先ほどの市長答弁でも、「一度失われた輸送手段を取り戻すことは困難であることを貴志川線の廃線危機により痛感している」、今後、「危機感を持って航路の価値を見直し、維持する必要がある」と考えていると、過去の教訓から、航路の維持には非常に前向きで力強い答弁をいただきました。 航路は、海の道であるのと同時に我々市民の命を救う命の道でもあります。大橋市長には、これも要望になりますが、東日本大震災で学んだ想定外を想定するということを肝に銘じていただき、今後とも、市民の安心・安全のため、命の道の存続に取り組んでいかれることを強く要望しておきまして、私の一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(和田秀教君) しばらく休憩します。          午前11時30分休憩   ---------------          午後1時10分再開 ○議長(和田秀教君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 日程第2の議事を継続し、質問を許します。 渡辺忠広君。--15番。 〔15番渡辺忠広君登壇〕(拍手) ◆15番(渡辺忠広君) こんにちは。議長のお許しがありましたので、一般質問を行います。 昨年の6、9、12月に続いて、滝畑の産業廃棄物問題を重ねて問いただしていきたい、このように思います。とりわけ、今回の議会においては、滝畑地区、山口地区産業廃棄物埋立建設計画地周辺の地質についてただしていきたいと、このように思います。 まず最初に、産業廃棄物の埋立計画の現認識について、市長にお尋ねしたいと思います。 和泉山系は、今まで、関西空港の土取りや、また、大規模な住宅開発等々によって、多くの自然林や里山がつぶされてまいりました。河西地区の産業廃棄物埋立処分場の建設計画、また、河北地区のフォレスト計画等々、自然豊かな山並みを保存したい、こうした多くの市民の皆さんの運動もあり、その自然は守られてきた部分もございます。 以前にも触れたことがありますが、そうした和泉山系の自然の豊かさは、オオタカ等の猛禽類の生息地として今後も残していかなければならない山並みだと思います。 オオタカの存在を私が指摘したのは、今から5年前のことですけども、その後、チョウゲンボウや、ことし1月にはハイタカが梅原地区で捕獲されております。その共通点は、いずれも幼鳥--幼い鳥であるということであります。この和泉山系のいずれかに営巣があるのではないか。今、和歌山大学の先生や多くの生徒の皆さんが探索されておりますが、場所は、まだ特定されておりません。タカ類というのは、何分、その生息範囲が数10キロメートルと言われております。いずれも幼い鳥であることから、和歌山大学の専門家である教授は、営巣はこの和泉山系近郊にあることは間違いないと推測されると、このように指摘されております。 その和泉山脈の山深い里山、自然豊かな山林を破壊し、今、滝畑地区に産業廃棄物埋立処分場建設計画が浮上し、事前審査段階であることを承知の上で、昨年の議会においても、同僚の南畑幸代市議会議員と一緒に、和歌山市は認可すべきではない、このことを市長に強く要請してまいりました。 昨年の12月議会以降、山口地区の皆さんは、2月16日にはJR和歌山駅から市役所間を、産廃施設設置を許さない、子供や孫にきれいな環境を残したい、そうした願いから、多くの市民に訴えるデモ行進をされ、同時に和歌山市に対して、施設設置反対署名を重ね、合計9万筆もの署名が既に和歌山市長に届けられていることは承知のところであります。 先ほども出ましたが、今議会では、活断層や地形、地質及び水質問題について、多くの地区の住民の皆さんから、こんな場所に巨大な産業廃棄物処理場をつくって、生活と健康は守られるのかとの声を聞き及んでおります。 そこで、幾つかのことをお聞きいたします。 まず、生活環境影響調査指針についてであります。 環境省は、2006年9月、廃棄物処理施設生活環境影響調査指針、いわゆるガイドラインを通知いたしました。今、手に持っているのがその通知内容であります。このガイドラインの通知は、施設の設置者に対して、施設の設置計画をつくり上げる上での指針を掲げております。その内容、目的及びその趣旨はどのようなものなのか、市長の環境省の通知に対する認識と見解をお尋ねいたします。 次に、地震と地形問題について、とりわけ上黒谷、滝畑地区の地震及び地形問題についてお尋ねをいたします。 地震に関して、和歌山市は、2010年1月、地震を知り地震に備える、こうしたパンフレットを作成し、東海・東南海・南海地震に対する警戒と同時に、中央構造線の地震発生に関する震度分布予測図及び液状化危険度分布予測図を発表しております。同時に、中央構造線の地震が発生した場合の震度分布予測図を図示しておりますけれども、産廃埋立処分場計画地域では、どのような想定をされておりますか、お尋ねをいたします。 2番目に、和歌山市の和泉山系には、断層・中央構造線と並行している副断層として、磯の浦北断層、鳴滝断層、根来断層及び名前が特定されていない大谷地区から土入、河西公園、住金構内を横断する推定断層等を総務省は指摘をし、和歌山県危機管理局総合防災課は、和歌山県における地震被害についてとする見解を発表しております。中央構造線の地震が発生した場合における地震被害についてとの見解を同時に発表しておりますけれども、中央構造線の地震が発生した場合の和歌山市街地及び和泉山系に及ぼす震度予測はどのように分析されておりますか、お聞きをいたします。 3点目は、その断層・中央構造線の一部、副断層である根来断層と垂直に並ぶ上黒谷推定断層については、きょう、議長の御配慮で席上配付させていただきました--その地図でございます。その地図は、総務省直下の研究機関である産業総合研究所地質情報センター地質調査所による平成9年度から平成13年度の調査によって、上黒谷、湯屋谷から滝畑村落に及ぶ断層の存在が推定確認をされています。また、孝子向斜についても指摘をされておりますが、和歌山市はどのような認識を持っておられますか。このことについては、2問でさらに詳しく述べますので、その見解だけをお聞かせください。 次に、産業廃棄物最終処分場建設計画をしている事業者は、活断層・中央構造線及び根来断層について、どのような判断を示しておりますか、お答えください。 次に、産業廃棄物最終処分場建設計画についてお伺いをいたします。 昨年4月12日、産廃埋立計画事業者が主催をし、行政を対象として開催した事業計画書(事前調査用)の説明では、発生するガス等による火災や爆発が起こらないようにすると説明しておりますが、そのためにどのような対策をとると事業者は和歌山市に説明をしておりますか。また、昨年の6月26日に開催された滝畑地区住民説明会では、どのような対策を講じると説明しておりますか、答弁をしてください。 次に、和歌山市は、全国の産業廃棄物埋立処分場を調査し、産業廃棄物埋立処分場からの火災及びガス爆発発生事例を承知しておりますか、お答えください。 次に、環境省通達によって熱釈5%以下に凝縮された廃棄物、また、特定有害産業廃棄物指定である水銀及びその化合物、砒素、シアン、カドミウム等の廃棄物に付着した場合の廃棄も容認されてることは、さきの議会でもお尋ねいたしました。 既に指摘してから3カ月が経過しております。法基準に対して、事業者はどのような認識を示しておりますか。また、その有害物質の混入の確認の方法、その展開検査の方法をどのようにするか、和歌山市は事業者に対して指導をしてこられましたか、答弁を求めます。 4点目は、ことしの2月5日、住民説明会の事業者の説明については、山口地区連合自治会長名で、私たち日本共産党の市会議員団幹事長に対して、参考資料としてその内容をいただきました。市当局に対しても、山口地区連合自治会長名でその詳細な内容をお渡しされた、このようにお聞きしております。 そこでお聞きをいたします。 事業者の質問及び回答の中では、生活環境影響調査の計画書については、現在、和歌山市に提出し、その内容について指導をいただいている、このように述べております。 和歌山市は、事業者が住民への回答に指摘をする環境影響調査計画書をいつ受け取りましたか。また、その内容について指導をいただいている、このように200名を対象とした住民説明会で文書資料配布をしておりますけれども、現在、どのような指導をしているのか、お答えをください。 次に、水質の問題です。 ことしの1月18日、大阪府阪南市市民部生活環境課長名で、産廃最終処分場設置に係る事業計画に対する意見の追加についてと題する意見書が事業者に提出されております。その内容と趣旨は、どのようなものですか。 以上お聞きをして、私の第1問といたします。(拍手) ○議長(和田秀教君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 15番渡辺議員の御質問にお答えいたします。 まず、産業廃棄物の埋立計画についての御質問であります。 環境省は、2006年9月に、廃棄物処理施設生活環境影響調査指針、いわゆるガイドラインを通知しているけれども、その内容、目的、それからその通知に対する市長の認識はどうかということであります。 環境省通知の指針において、生活環境影響調査の目的及び内容は、生活環境を保全するため、許可を要する廃棄物処理施設について実施が義務づけられるもので、施設の設置者は、設計段階で、その施設が周辺地域の生活環境に及ぼす影響をあらかじめ調査し、その結果に基づき、地域ごとの生活環境に配慮したきめ細かな対策を検討した上で施設の計画をつくり上げることになります。 趣旨につきましては、この生活環境影響調査がより適切で合理的に行われるよう、また、技術的な事項を現時点の科学的知見に基づいて取りまとめたものであります。 私といたしましては、調査内容等について市が意見を述べることが行政の役目と考えております。それにより、地域に配慮したきめ細かな事前の調査がなされるものと考えます。 また、今後、事業者が作成する事業計画の中で、地域の状況に応じた対応が図られるよう指導したいと考えます。 以上です。 ○議長(和田秀教君) 池永危機管理監。 〔危機管理監池永俊二君登壇〕 ◎危機管理監(池永俊二君) 15番渡辺議員の一般質問にお答えいたします。 産業廃棄物最終処分場建設計画について、上黒谷、滝畑地区の地震及び地形問題についてでございます。3点ございます。 まず1点目、中央構造線の地震が発生した場合の、本市の産業廃棄物最終処分場建設計画のある上黒谷、滝畑地区での震度予測はどうかということでございます。 それから2点目は、県の和歌山県における地震被害についてとする見解での和歌山市街地と和泉山系に及ぼす震度予測はどうか。 それから、3点目としまして、上黒谷地区から滝畑地区に至る推定断層と孝子向斜に対する市の見解はどうかと、この3点でございます。 まず1点目ですが、中央構造線で地震が発生した場合、本市では、上黒谷、滝畑地区周辺での震度は6強と予測しております。 次に2点目ですが、県作成の和歌山県における地震被害についてでは、和歌山市街地での震度予測は6強から7、和泉山系では、ほとんどの地域で6強になると予測しております。 最後に3点目ですが、市や県の予測については、今までにその存在と活動した事実が明らかな中央構造線断層帯での地震によるものとして、震度はいずれも6強とされており、その予測に対してはパンフレットによる広報や防災講座など、減災に向けた取り組みを今後も推進していかなければならないと考えております。 なお、上黒谷地区周辺に及ぶ推定断層については、公的研究機関による調査結果として留意すべきものと受けとめていますが、孝子向斜という記述については確認できませんでした。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 上島市民環境局長。 〔市民環境局長上島 勲君登壇〕 ◎市民環境局長(上島勲君) 15番渡辺議員の一般質問にお答えします。 産業廃棄物埋立計画について、上黒谷、滝畑地区の地震及び地形問題について。 まず、産業廃棄物最終処分場建設計画をしている事業者は、活断層・中央構造線及び根来断層について、どのような判断を示しているのかという御質問です。 平成24年2月5日に行われた住民説明会における事業者の資料によりますと、根来断層については、相対的に長周期で活動しており、近隣調査、工事での明確な変位等痕跡の報告がないことから、現在は停滞期であると事業者が記述しております。 次に、産業廃棄物最終処分場建設計画について、4点ございました。 まず1点目は、昨年4月12日、産廃埋立計画事業者が主催し、行政を対象として開催した事業計画書(事前調査用)の説明では、発生するガス等による火災や爆発が起こらないようにすると説明していますが、そのためにはどのような対策をとると事業者は和歌山市に説明しているのか、また、昨年6月26日に開催された滝畑地区住民説明会では、どのような対策を講じるとして説明しているのかとの御質問です。 昨年4月12日に実施された事業者による事業計画書(事前調査用)の説明会では、行政に対して、埋め立てた廃棄物は、天候状況を見ながら、数日のうちに土を覆いかぶせることによる防火対策をするとともに、ガス抜き管の設置も考えると説明しています。 また、昨年6月26日に開催された事業者による滝畑地区住民説明会では、ガス爆発や火災についての説明はしていないと事業者より聞いております。 次に2点目として、和歌山市は、全国の産業廃棄物埋立処分場を調査し、産業廃棄物埋立処分場からの火災、ガス爆発発生事例を承知しているのかとの御質問です。 全国の産業廃棄物埋立処分場に対して、火災、ガス爆発発生事例は調査しておりませんが、環境省による平成20年度最終処分場に係る基準のあり方検討業務報告書の全国の都道府県及び政令市へのアンケート結果によりますと、安定型最終処分場での火災の発生による指導件数は平成7年3月までに2件であり、また、ガスの発生による指導件数は、平成7年3月までは6件、平成7年4月から平成10年5月までは4件、平成10年6月から平成18年5月までは3件であり、合わせて13件であります。 3点目は、法基準に対して事業者はどのような認識を示していますか、また、その有害物質の混入の確認方法、その展開検査の方法をどのようにするのか、和歌山市は事業者に対して指導をしてきたのかとの御質問です。 事業者は、有害物質が発生する問題は搬入品目にあり、厳正な展開検査により住民の不安を払拭すると考えております。混入の基準確認方法及び厳正な展開検査について、事業者と協議していますが、具体的な手法等については事業者が検討中であり、今後、事業者が提示する方法等について指導してまいります。 4点目は、2月5日の地元説明会において、事業者の質問及び回答の中で、生活環境影響調査の計画書については、現在、和歌山市に提出し、その内容について指導をいただいていると述べている。和歌山市は、事業者が住民に回答の指摘する環境影響調査計画書をいつ受け取ったのか。また、その内容について指導をいただいていると、200名の方を対象に住民説明会で資料配布をしているが、どのような指導をしているのかとの御質問です。 事業者の質問及び回答の中で、生活環境影響調査の計画書については、現在、和歌山市に提出し、となっているのは、事業者の誤記であり、和歌山市に計画書は提出されていません。したがって、本市としては異議を申し入れています。 住民説明会では、事業者は和歌山市と協議中であると述べています。その内容については、法律及び指針に基づく調査項目や動物、植物及び阪南市からの水質に関する追加事項の調査について協議しております。 今後も事業者に対し、周辺地域の生活環境対策を検討するよう指導していきます。 最後に、水質問題について。 ことし1月18日、大阪府阪南市市民部生活環境課長名で、産廃最終処分場設置に係る事業計画に対する意見の追加についてと題する意見書が事業者に提出されています。その内容と趣旨はどのようなものかとの御質問です。 阪南市の意見書への追加事項の内容は、第1項目は、工事及び事業に伴う車両の通行ルート及び事後監視について、阪南市と協定の締結を検討されたい、第2項目は、山中川の河川水質調査について、大阪府環境保全目標に定める健康項目及び特殊項目を追加されたいの2項目が書かれています。 それぞれの趣旨は、本事業計画に対する車両通行ルートについては、阪南市住民が生活環境への影響を懸念する一つであることから、阪南市域を通行しない事業計画の遵守を求めるため、また、緊急時の連絡体制及び事後監視等については、事業の進捗状況及び生活環境への影響の評価を阪南市として把握するため、また、山中川の河川水質調査については、事業計画地からの排水は、すべて阪南市の山中川に流入し、その水系は環境基本法に基づく類型指定でA類型となっており、山中川を含む男里川水系は、阪南市の自然環境及び農作物等の利水等、地域環境において主要な河川であり、地域住民が河川水質等への影響を懸念するのは、特に有害物質によるものと考えるためとなっています。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 15番。 〔15番渡辺忠広君登壇〕(拍手) ◆15番(渡辺忠広君) それでは、答弁をいただきましたので、第2問をさせていただきます。 1問で示させていただきました環境省の2006年度ガイドラインについて、市長の認識をお伺いいたしました。 答弁にあったように、指針は、施設の設置、運営に伴う地域紛争が全国で多発するなどの問題が生じているため、環境影響調査書の作成前に、「その施設が周辺地域の生活環境に及ぼす影響をあらかじめ調査し、その結果に基づき、地域ごとの生活環境に配慮したきめ細かな対策を検討した上で施設の計画を作り上げること」、このように示しています。 市長は、調査内容について、市が意見を述べることが行政の役割と考えている、事前の調査がきめ細やかになるもの、このように答弁をされました。 山口地区、滝畑への産業廃棄物処分場の建設計画は、今、まさにそのガイドラインの示しているその時期であります。すなわち、事業認可申請書に添付される環境影響調査表の作成までの事業者の責任を明確にしております。同時に、このことは、許認可権を持つ和歌山市が、行政として、環境省のガイドライン、関係法令に沿って事業者が住民に対してきめ細かな説明責任を果たしているかどうか、それを検証する責任があるということであります。 現局面で、昨年4月12日の行政を対象として開かれた事前説明後、事業者が地域住民へのきめ細かな説明責任を果たしてるかどうか、どのように考えておられるのか答弁を再度求めます。 次に、和歌山市及び和歌山県の中央構造線の地震が発生した場合の震度分布予測は、和歌山市の市街地は震度7を想定し、また、和泉山系全域は震度6強を想定しているとの答弁がされました。 2011年2月18日--昨年のことですが、文部科学省に設置された政府特別機関、地震調査研究推進本部地震調査委員会は、中央構造線断層帯の長期評価についてとの評価結果を発表いたしました。 その長期評価では、将来の活動区間及び活動時の地震規模について、和泉山脈南縁、地震規模はマグニチュード7.6から7.7、ずれ量は4メートル、このように発表しております。また、地震後経過率は、今後30年以内の発生率は0.06%から14%、極めて高い発生確率を発表いたしました。 和歌山市の総合防災課が発行した先ほど示しましたパンフレットですが、地震を知り地震に備える、このパンフレットは2011年1月の発行となっていますが、発行後、地震調査研究推進本部が海溝型地震、東海・東南海・南海地震評価結果及び中央構造線の評価変更をしたことは承知のところであります。この際、和歌山市は、県等と協議をして中央構造線の地震予測の見直しをすべきだと思いますが、答弁を求めます。 次に、事業者の断層・中央構造線及び根来断層について、住民への説明内容は、活断層自体は停滞期である、このように指摘しているとの答弁がありました。また、その根拠を、2月5日の住民説明会では、1999年、京都大学大学院理学研究科の発表、このように回答がされました。 私は、ここに、事業者が、1999年、京都大学大学院理学研究科の発表とした研究論文「中央構造線活断層系根来断層の性状と最新活動」トレンチ調査報告書の全コピーを持っております。これは、事業者が設問する以前に私は勉強させていただいておりましたけども、産業廃棄物処分場計画の事業者は、具体的に活断層自体が停滞期とする根拠となる研究論文を正確に述べていませんが、この研究論文の引用であることは私は推測ができます。この本稿は、1997年、名古屋大学で発表され、その後、考察を加え、京都大学地球物理学教室がまとめられたもの、このように言われております。 副題として「和歌山市今滝(仁王谷)でのトレンチ調査」、結果として、5名の研究者名で発表されております。これは、私が持ってるのが資料だけでありまして、その裏に具体的な膨大な資料が添付されております。この膨大な資料に基づき論証がされ、その52ページの中で、「狭義の中央構造線は第四紀後半の活動を示唆する資料の公表はなく,一般に非活動的と評価されてきた」と指摘している部分があります。 しかし、この同じ論文の中の同じ52ページには、しかしその後のトレンチ調査によって、「第四紀後半にも活動的である」との報告がされ、考察の最後には、「四国東部と紀伊半島西部との間で異なる活動履歴や変位速度・活動間隔などをもつことが解明されてきた」、このように指摘もされております。 事業者が指摘する停滞期との表現ではなく、非活動的と評価されてきたと表現がされております。停滞期との表現は、事業者の造語であり、多くの地震・地質学者に私はお聞きをしましたけれども、停滞期といった表現はしないとのことであります。 産廃事業者は、根来断層が、活断層自体が停滞期であると断定していますが、国においても、県危機管理局総合防災課、市の総合防災課、地震学者の最近の研究から見て不適切な住民に対する説明であると思いますが、行政としてどのように思われますか、答弁を求めます。 私たち日本共産党市会議員団は、事業者が住民に対して活断層自身は停滞期であるとの指摘の真偽を確認するために、また、住民の皆さんの、地震が発生すればどうなるのか、地殻変動で産廃処分場の堰堤がつぶれることになれば、圧縮され埋め立てられた産廃はどうなるのか、こういった不安にこたえるために、内閣府認証NPO法人・日本地質汚染審査機構、理学博士で大阪市立大学院名誉教授熊井久雄氏、また、和歌山県の地質学者、和歌山市の地質学者等々に、産廃最終処分場建設計画事業者の事前計画案を示し、専門家からの意見を求めてまいりました。 熊井久雄名誉教授からは、「地形・地質条件について」として、意見書を文書で解析結果をいただきました。教授の解析によれば、安定型産業廃棄物処分場建設計画地としては余りよい適地とは言えないと指摘されました。その理由として、計画地南の1.5キロメートルから2キロメートルのところには、日本の第一級の構造線で、なおかつ活断層・中央構造線の一部である根来断層があり、大きく右ずれ運動を起こしている。この断層は、派生する数多くの派生断層や時期を違えた繰り返しの地震断層を有している。これらは、根来断層に並行する活断層であり、それに直行する南北性の断層も予測される。これらの境界は、わずかな力で動き得るものなので、かなり不安定で不規則な境界であると、根来断層、それに直行する南北性の断層--上黒谷断層について危険性を指摘されました。また、現在、予想されている東南海・南海地震が発生した場合には、この地域が大きく動く危険性があるとも指摘をされております。 第1問で、山口地区、湯屋谷の根来断層と直角に位置する場所の推定断層--上黒谷断層についてお伺いいたしました。 先ほども述べましたけども、議場に配付させていただいてる地図は、独立行政法人産業技術総合研究所地質調査総合センターによる地質調査によるものであります。 根来断層と湯屋谷地区から阪和自動車道と並行した場所に、この地図で示しますと、この色違いの一番下、ずっと黒い線と赤い線がありますけども、この一定の幅は、赤い線、黒い線--根来断層と書かれたこの下は--下といったらおかしいんですけども、色が違う水色のところは中央構造線であります(資料を示す)。これぐらいの幅です。その中に、推定断層、上黒谷断層の存在が記されております。この、ちょうど地図の--皆さんが持っておられる地図はここまでですけども--左端のここに小さく湯屋谷と書かれております(資料を示す)。根来断層の上です。ちょうどまたがっておりますけども、そこから阪和自動車道と書かれたところがありますけども、その右隣りに黒い点線で点々と書かれているのが、これが上黒谷推定断層と言われるものであります。その地図の阪和自動車道の右横に書かれてる、黒い点々と書かれた太い線で指摘されてる部分が上黒谷断層と言われるものです。 それは図示しておりますのでおわかりだと思いますけれども、その地質は泥岩優勢の砂岩泥岩互層及び泥岩、この層がその点線のところですぽんと切れてる部分がわかると思います。破断してるんです。断層があることは、私が見ても明らかであります。 答弁では、推定断層・上黒谷断層について、公的機関による調査結果として留意すべきものと受けとめているとのことであります。明らかに産業廃棄物埋立計画地の場所付近は、その推定断層に位置する場所にあります。断層--中央構造線、根来断層の存在は現認されております。なおかつ、そうした断層と連動するか、また、独自に上黒谷断層による地殻変動が想定されるところであります。 また、地形の原形となる向斜線、背斜線について、1問の答弁では「確認できませんでした。」との答弁であります。 向斜線とは、地形が左右から押し縮められるために沈み込む、下へ沈みんでいくというのが向斜線です。背斜線というのは、押し込まれる力によって浮き上がっていく、そういう線のことを言います。向斜線は、沈み込みますから谷をつくります。背斜線は、押し上げられますから、山並み、峰をつくる地形線のことであります。議場配付の地図には細い赤線で記されてると思います。 産業廃棄物処分場の計画地は、その向斜線が処分場計画地を分断するように東西に走り、また、南北にも幾つも向斜線が走ってることは明らかであります。 産業廃棄物処分場の計画地は、谷を埋め立てる計画ですから、谷そのものが向斜線によって形成をされているということであります。 産業廃棄物処分場計画地を東西に細い赤い線で記されてるのが孝子向斜線と呼ばれてます。この孝子向斜線は、和歌山市の梅原の孝子峠付近から雄ノ山峠の間に連動する向斜線であります。沈み込む地形、地質上に、産業廃棄物処理場建設計画がされているということであります。 市長、おわかりですよね。その孝子向斜線をその地図で見た、市長にお渡しした地図は、加太の友ヶ島までずっと記した地図であります。ちょうど木ノ本の私が住んでいる家の大阪寄りまで、その孝子向斜線が続いて、雄ノ山峠ですぽんと切れております。それが和泉山系の谷間をつくっている線を指摘してるんです。 局長は、残念ながら確認できなかったということでありますけども、その孝子向斜線の地図の上には、小さく孝子向斜線とはっきりと書かれております。 産業廃棄物埋立最終処分場の計画地は、和歌山市、和歌山県及び地震調査推進本部、また、大阪市立大名誉教授の意見書にも見られるように、滝畑地区、山口地区全体に東南海・南海地震、また、中央構造線とその副断層である根来断層の存在、上黒谷推定断層、また、孝子向斜線上にあります。地震の発生と地殻の変動の起きやすい危険な地区、地質であることが明らかであります。 産業廃棄物埋立処分場の建設計画場所として、ふさわしくない場所であることは明らかであります。産業廃棄物の最終処分場建設計画地が、こうした危険な場所であることに対して和歌山市はどのような認識を持っておられるのか、答弁を求めます。 次に、産業廃棄物最終処分場建設計画についてお聞きをいたします。 事業者が発生ガスについて説明してる内容をお聞きいたしました。 答弁では、天候を見ながら、数日内に土をかぶせることによって防火対策をとるとともに、ガス抜き管の設置も考えると事業者説明を受け、昨年6月26日の事業者による住民説明会では説明をしていないとの答弁がありました。 答弁で、事業者は市担当課に対して、発生する硫化水素ガスに対して、天候を見ながら対応するとの説明をしたとのことであります。雨の日は、発生した硫化水素ガスは雨水に溶けて流れてしまうが、晴れているときは飛散をし、空気中で燃えるため、土をかぶせ、飛散、火災を防止する、これが対策ですか。 産業廃棄物最終処分場では、全国で火災やガス発生事故などが多発してることは1問の答弁でもありました。最終処分場というものは、さまざまなガスが発生する要因は幾つもあります。とりわけ硫化水素は、毒性が強く、卵の腐ったような臭気を持つ気体です。広範な敷地での発生だから希釈される、薄められるから健康には心配ない、こんな常識では考えられない暴言が許されると思ってますか。硫化水素は、空気中で燃えるガスであります。燃焼ガスです。 昨年の4月12日、和歌山市で行われた行政を対象とした事業説明会後、和歌山市の消防局は意見書を上げております。法的にどのような協議事項等の内容を意見書で掲げておりますか、お答えください。 次に、ガス抜き管の設置を考える、このようにしています、こう説明があったということであります。ガスの発生をあらかじめ承知し、行政に対しては、どの程度の面積比で敷設するのか、具体的な答弁が1問ではありません。冒頭、環境省のガイドラインの目的に触れましたが、事業者のきめ細かな説明とはほど遠い答弁ではないですか。 事業者は、では、どのようなガスの発生を予測しておりますか。その対策として、ガス抜き管は面積比でどの程度設置すると和歌山市に説明しておりますか、答弁してください。 次に、2月5日の住民説明会では、山口地区連合自治会から、今議会直前にいただいた資料、テープを起こした内容を見せていただきました。その9ページで、事業者は、硫化水素に関しては、発生してる処分場もあるのも知っています。室内ではなく、広大な構外で発生する硫化水素に関しては、飛散しますので、もし出たところで、すぐ健康被害があるというものではございません、このような説明してます。 この住民説明会の応答は、とんでもない事業主の感覚だと言わざるを得ません。構外の事業だから、硫化水素が発生してもすぐには健康被害はない、そんなばかなことがありますか。 2月5日、住民説明会に当たって、事業者が提出した質問及び回答では、公害は基本的には発生しない、このように説明してるんですよ。ところが、口頭では、広大な構外で硫化水素が発生しても、飛散するので、すぐ健康被害はない、こう説明しております。 健康被害は発生しない、こう説明する事業者をどのように思われますか。また、どのように事業者に対して対応されるのか、答弁を求めます。 御承知のように、硫化水素は腐卵臭--卵が腐ったようなにおい、硫黄温泉に行けばにおう臭気ですけれども、あれをもっと強くしたにおいです。悪臭を放つ気体というだけではありません。硫化水素は、強い可燃性を持つガスであります。また、猛毒な気体で、専門書--1999年、日報社が発刊した「廃棄物のやさしい化学」、こういう本がありますけれども、その本によれば、大気中の濃度400から700ppmで、30分から1時間で急性中毒で死亡する、700ppm以上で呼吸麻痺で即死をする、このように指摘されてる気体であります。 全国の産業廃棄物処理場における火災、ガス発生事例件数を1問でお聞きいたしました。多くの産業廃棄物埋立最終処分場で火災やガス発生事件が起きてることは、既に市当局も把握しているとの答弁であります。 私は、ここに、2000年、滋賀県栗東町の硫化水素発生事件をレポートした冊子を持っております。「埋め立て地からの叫び」、こういう冊子であります。この冊子には、マークが入っておりますけども、和歌山市立図書館からお借りしてきた本であります。この本によれば、致死量の20倍を超える2万2,000ppmもの硫化水素が発生し、その対応の一部始終がこの本に書かれております。全容をここでは触れませんが、「埋め立て地からの叫び」と題した冊子であります。ぜひ、担当部署の方には読んで理解をしていただきたい、このことを要望いたします。 こうしたことから、産廃処分場が建設されれば、この和歌山市においても、火災やガス発生による悪臭、健康被害事件が発生する危険性は、だれも否定はできないものと私は思います。 ちなみに、2006年ですが、環境省は、硫化水素発生の要因の一つとして、石膏ボードから付着している紙を除去したものの取り扱いについて、こういう通達を各都道府県知事あてに出しております。この通達の内容、どのようなものであるか答弁してください。 次に、ガス抜き管を設置したとしても、だれが、いつまで、ガス発生の監視をする責任を負うことになりますか。最終処分場完了後の責任の所在を明らかにしてください。 次に、事業者が住民説明会で、生活環境影響調査の計画書を提出し、その内容について指導をいただいてるとの説明文は誤記であり、和歌山市は異議を申し入れているとの答弁であります。 しかし、この説明文は、今月2月5日、200名を超える住民の方々に既に文書で配布されております。多くの住民の皆さんは、既に生活環境影響調査計画書が提出され、協議をされているとの説明を受け、その認識を持っておられます。 和歌山市は、生活環境影響調査計画書の提出は、単に誤記との異議の申し立てではなく、事業者に対してしっかりと抗議をする、文書をもって取り消し要請をすべき性格のものと私は思います。いかがですか。 また、2月5日の住民説明会に出席した200名を超える市民の方たちへは、事業者の間違いであることは知らされておりますか。知らされていない場合、事業者に是正指導すべきだと思いますが、どのような対応を考えておられますか、答弁をしてください。 最後に、水質の問題です。 大阪府阪南市のことし1月18日の事業者の申し入れ内容のうち、事業に伴う車両の通行問題は、後日、同僚の南畑幸代議員が質問されますから、私は山中川水質問題についてお伺いをいたします。 滝畑川や山中川は、蛍の飛ぶ季節には蛍が乱舞する、和歌山市でも非常に数少ない河川の一つであります。この清流を保存していくこと、これは行政の大切な課題の一つだと私は思っております。 滝畑川は、大阪府に入れば山中川へ流れます。そして、男里川として瀬戸内海へ流れております。 男里川は、大阪府の水系ではA類型指定がされております。河川の類型指定は都道府県知事が認証することとなっておりますけれども、山中川へ注ぐ上流の和歌山市内の滝畑川は類型指定はされておりません。したがって、和歌山市の責任は重大だと思います。大阪府が指定するA類型指定の意味、また、和歌山市の責任で河川の水質保全を維持することが求められております。滝畑川の水質を、A類型相当の水質を維持すべきと考えますが、市としてどのように考えておられますか。また、阪南市の事業者への意見書の追加にどのような考えを持っておられるか、以上、答弁を求め、私の第2問といたします。(拍手) ○議長(和田秀教君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 15番渡辺議員の再質問にお答えします。 環境省の2006年のガイドラインについて、現局面で、昨年4月12日の行政を対象として開かれた事前説明後の事業者の地域住民へのきめ細かな説明責任が果たされていると考えるかどうかという御質問であります。 事業者が平成24年2月5日に行いました地元説明会では、山口連合自治会主催の第1回の説明会でありまして、住民の不安が解消されるような説明ではなかったと聞いています。 今後も継続して地元に対する説明会を行っていくとも聞いてますので、その中で事業者が十分な説明責任を果たしていくことが必要と考えています。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 池永危機管理監。 〔危機管理監池永俊二君登壇〕 ◎危機管理監(池永俊二君) 15番渡辺議員の再質問にお答えいたします。 産業廃棄物最終処分場建設計画について、2点ございます。 まず、和歌山市は、県と協議して中央構造線の地震予測の見直しをすべきではないかとの御質問です。 日本における地震については、政府の地震調査研究推進本部によって、これまでの知見をもとに地震の規模や発生確率が予測されております。 このうち、海溝型地震につきましては、これまでの知見に加えて、その知見を超える東日本大震災のような、いわゆる想定外の地震が現実に発生したことから、現在、見直しが進められています。 なお、中央構造線の和泉山脈南縁の地震につきましては、昨年2月に新たな知見による見直しが行われたばかりで、規模がマグニチュード8.0程度からマグニチュード7.6から7.7程度に、また、今後30年以内の発生確率がほぼゼロ%から6%であったものが0.06%から14%へと上昇したもので、警戒すべき状態にあると考えております。 なお、発生確率は毎年見直されており、その結果は1月1日付で公表されております。 次に、事業者は、根来断層が活断層自体が停滞期であると断定しているが、国や県、市の予測あるいは地震学者の最近の研究から見て、不適切な住民に対する説明と思うが、どう思うかという御質問でございます。 事業者の表現がどういう意図でなされたものか、詳細には説明されていないため、それについて判断することはできませんが、一般的に文献等を引用する場合は、出典を明らかにして、言葉や文章の表現については、誤解や混乱を招くことがないように、できる限り正確を期すべきものと思います。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 上島市民環境局長。 〔市民環境局長上島 勲君登壇〕 ◎市民環境局長(上島勲君) 15番渡辺議員の再質問にお答えします。 まず、産業廃棄物埋立処分場の関係で、建設場所としてふさわしくない場所であることは明らかで、産廃最終処分場建設計画地がこうした危険な場所であることに対して、和歌山市はどのような認識を持っておるのかとの御質問です。 政府の地震調査研究推進本部によりますと、中央構造線における地震については、和泉山脈地区では震度6強の地震と予測されています。 廃棄物の処理及び清掃に関する法律では、最終処分場の設置する場所の地質等は許可の要因となっておりませんが、構造物の構造耐力の設計に当たっては、農業土木学会、日本建設技術協会、日本道路協会及び日本港湾協会において定められた設計基準を遵守しなければならないと社団法人全国都市清掃会議の廃棄物最終処分場指針解説に書かれておりますことを事業者に指導してまいります。 次に、最終処分場における発生するガスについて、4点ございました。 まず、事業者は、どのようなガスの発生を予測し、その対策として、ガス抜き管は面積比でどの程度設置すると説明しているのかとの御質問です。 昨年4月12日に実施された事業者による事業計画書(事前調査用)の説明会では、硫化水素の発生を予想し、そのモニタリングのためのガス抜き管を設置すると述べていましたが、現在、硫化水素を発生させない方法を検討しているため、現時点では面積比については説明を受けておりません。 2点目として、健康被害が発生しないとする事業者の説明をどのように思われるか、また、事業者にどのように対応させるのか。 硫化水素ガス等は、環境及び健康に害を与えるガスであると認識しております。したがって、事業者に対して、ガスの健康への影響について、住民に適切な説明をするよう指導します。 3点目は、2006年、環境省が、硫化水素発生の一つのメカニズムとして各県知事あて通達を出しているが、その内容はどのようなものかという御質問です。 平成18年の環境省通達では、石膏ボードの糖質が硫化水素発生に影響を与えることにより高濃度の硫化水素が発生するおそれが明らかになったため、紙を除去した石膏ボードについても、安定型最終処分場に搬入できなくなりました。 4点目は、ガス抜き管を設置したとしても、だれが、いつまで、ガスの発生の監視をする責任を負うことになるのか、埋め立て処分完了後の責任の所在を明らかにしなさいとの御質問です。 産業廃棄物最終処分場を廃止するまでは、事業者が責任を負うこととなります。また、廃止後は土地所有者の責任となります。 廃棄物の処理及び清掃に関する法律によりますと、廃止の基準の一つとして、「埋立地からガスの発生がほとんど認められない、又はガスの発生量の増加が2年以上にわたり認められないこと。」と環境省令で定める技術上の基準に明記されています。 次に、和歌山市は、生活環境影響調査計画書の提出は、単に誤記との異議申し立てでなく、事業者に対して抗議し、文書をもって取り消し要請すべき性格のものと思うが、どうか。また、2月5日、住民説明会に出席した市民の方々へは、事業者の間違いであることを知らされているのか。知らされていない場合、事業者に指導すべきだと思うが、どのような対応を考えておるのかとの御質問です。 2月5日の住民説明会において、出席者に事業者は、生活環境の影響調査範囲に関しては和歌山市の産業廃棄物課の方と、今、協議を進めているところですと説明しており、事業者の真意は出席住民に伝わっていると考えます。 しかし、配布資料の誤った記述については、次回の住民説明会で訂正するよう強く指導しています。 最後に、水質問題について、大阪府が指定するA類型指定の意味、また、和歌山市の責任で河川の水質保全を維持することが求められている。滝畑川の水質はA類型相当の水質を維持すべきと考えるが、市としてどういう考えをしているのか。また、阪南市の事業者への意見の追加にどのような考えを持っているのかとの御質問です。 水域の類型指定については、環境基本法の規定により、国または都道府県知事が、各水域ごとに、水質汚濁の状況、利用目的に応じ、水質のよいAAからEまでの6類型のいずれかを指定することになっています。 山中川及び男里川については、大阪府が水質汚濁の状況や利用目的を考慮し、A類型に指定したものと思います。下流域がA類型に指定されているため、滝畑川については、議員御指摘のとおり、A類型相当の水質を目標とし、環境保全を図っていく必要があると考えます。 また、A類型の利用目的は、適応性として、水道2級、水産1級、水浴となっていますので、阪南市が事業者に対し、生活環境影響調査の中で、山中川の河川水質調査について、大阪府環境保全目標に定める健康項目及び特殊項目の追加を申し入れることは妥当なところであると考えます。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 林消防局長。 〔消防局長林 正義君登壇〕 ◎消防局長(林正義君) 15番渡辺議員の再質問にお答えします。 産業廃棄物最終処分場建設計画について、事業所に発生するガス関連でございます。 和歌山市で行われた行政を対象とした事業説明会後、市消防局は意見書を上げていますが、法的にどのような協議事項等の内容を掲げていますかという御質問でございます。 廃棄物の中にプラスチック類やゴムくずなどが掲げられていたため、火災予防条例上の指定可燃物を一定数量以上貯蔵または取り扱う場合は、所轄消防署長への届け出とともに、掲示板や消火設備などの規制を受ける旨の記載をしています。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 15番。 〔15番渡辺忠広君登壇〕(拍手) ◆15番(渡辺忠広君) それでは、答弁をいただきましたので、再々質問をさせていただきます。 昨年の4月12日に和歌山市で行われた事業者による事業計画説明後、和歌山市の関係課の意見書の中で地震に対する意見が述べられておりません。その対応を指摘する意見書への追加の必要性があると思いますが、お考えを示してください。 和歌山市の気象台は、毎月、地震発生の記録の冊子をまとめ、和歌山市に対しても報告が毎月されております。この冊子であります(冊子を示す)。多くの方は、これをごらんになってると思いますけれども、この報告書を見せていただきました。 体に感じない微小地震、震度1から3程度の弱震を含め多発しております。私がちょっと数えますと、昨年1年間で、体に感じない地震、震度1以下1万669回、これが和歌山県内で発生してる微小地震。これは、震源地がはっきりしている地震の回数であります。それ以上の震度1以上は98回。2010年--一昨年は88回です。ふえていると、このように和歌山地方気象台も述べておりますが、とりわけ私が気になる地震が2回あります。 この地震メモというところが、その中にあるんですけども、昨年の5月10日に発生した地震であります。マグニチュード2.4。ちょっと読みます。 今回の地震は浅い地殻内で発生したもので、この付近--すなわち和歌山県北部のことですが--県北部の地殻内の地震だと、日ごろから規模の小さい地震活動が活発な地域です、このように指摘してます。 もう1個、気になる地震があります。7月5日、昨年です。これも同じように、県で震度5が観測されております。この震度5は、同じく地殻内で発生した地震だと、このように明確に述べております。 こうした地殻内で起きる地震が、大きな危険性をもたらす地震であると同時に、この発生件数というのは全国でもトップクラスだと、このように言われております。 体に感じない地震、本当に多発しております。国や県、和歌山市が予測する中央構造線によるものかどうかは、専門家の分析を待たなければなりませんが、阪神大震災では、あの強靭なはずであった阪神高速湾岸線の橋脚が倒壊をいたしました。また、東北の昨年の3月11日の大地震では、強靭なはずの堤防がことごとく地震と津波によって崩壊したことは、まだ記憶に新しいところであります。 私は、山は動く、このことが前提で産業廃棄物の埋立最終処分場の設置の可否の判断をしなければならないと、このように思っております。いかなる強靭な堰堤をつくったとしても、地震や地殻変動によって堰堤の崩壊ともなれば、埋め立て処分された産業廃棄物が流れ出す危険性は、だれも否定はできません。 和泉山系のみならず、和歌山市の山並みは、すべて向斜線と背斜線で形成されてると言っても過言ではありません。議場配付させていただいた地形構図は、滝畑地区のごく限定をした一部の地図であります。その地図の南側には、小倉を中心とした山並みが少しだけ載ってると思いますけども、和泉山系だけではなく、南側に面する山並みも、多くの向斜線と背斜線によって形成されております。 和歌山市の山並みというのは、この滝畑地区を含めて、産業廃棄物最終処分場としてふさわしい場所ではありませんということであります。 活断層自体が停滞期であるとの住民の説明、また、石膏ボードの安定型最終処分場への廃棄は、通達によって規制はされましたけれども、硫化水素発生要因の一つが規制されたにすぎません。 硫化水素などのガスの発生に対して、天候を見ながら対応する、広大な構外での発生だから、すぐには健康被害とはならないこういった発言というのは、住民の暮らしや健康、地域住民の生活環境を守らなければならない事業者としてのコンプライアンス--法遵守の精神もないことをはっきりと物語っております。産業廃棄物を扱う事業者としての資質もない、このことを強く指摘したいと思います。 最後に、和歌山市は、産業廃棄物を排出する事業者責任を明確にし、100%再資源化--リサイクルを目標とした指針を策定しております。和歌山市は、その指針の早急な具体化が求められております。 産業廃棄物は、最終処分場に埋め立てるのではなく、産廃ゼロ目標を早急に具体化する取り組みを、昨年の12月議会でも要請いたしましたけれども、改めて市長にそのことを要請し、私の一般質問といたします。(拍手) ○議長(和田秀教君) 池永危機管理監。 〔危機管理監池永俊二君登壇〕 ◎危機管理監(池永俊二君) 15番渡辺議員の再々質問にお答えいたします。 産業廃棄物最終処分場建設計画について、昨年の4月12日の事業計画説明後、市の各関係課の意見書の中には地震に対する意見は述べられていないが、追加の必要性があると思うがどうかとの御質問でございます。 昨年2月に総合防災課が意見を求められたときには、その内容が法的規制などの有無についてであったため、該当はない旨を回答いたしました。 今後、提示される資料の中で、重大な錯誤や正確さを欠いて誤解を招くような表現に対しては、把握している公的機関の調査結果を示し、また、その点を指摘する意見を述べることになると考えます。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) お諮りします。 本日の会議はこの程度にとどめ延会し、明3月6日午前10時から会議を開くことにしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(和田秀教君) 御異議なしと認めます。 よって、そのように決しました。 本日はこれにて延会いたします。          午後2時30分延会   --------------- 地方自治法第123条第2項の規定によってここに署名する。 議長    和田秀教 議員    尾崎方哉 議員    北野 均 議員    松本哲郎...